かた雪の上を歩きながら、一緒に春を待つ里山から。

 森に囲まれた里山ソムリエな日々。
 里山でラスクを頂きながらあんなこと、こんなことおしゃべりする、そんな時間が届きますように。

ロイヤルコペンハーゲン社の1966年のイヤープレートとラスク
ロイヤルコペンハーゲン社の1966年のイヤープレートとラスク

 

 二十四節気の雨水を過ぎると、雪の里にも時折、雨まじりの雪がふります。雪の上に雨の降った大地は、きゅっとしまって‘かた雪’の状態になると、その上をスイスイと長靴で歩ける天然の期間限定の‘かた雪’の道になります。

畑の上を通って近道で遊びにくる子どもさん、小学校からは、校庭を飛び出した子どもたちが、どこまでも続く大地の上をクロスカントリースキーで滑っています。木々のシルエットと背景の山々、その周りを滑る子どもたちを見ていると、ふとデンマークのことを思い出しました。

 2月のデンマークでは、ちょうど、このイヤープレートのように大地が凍るような冷たい日が続きます。パンケーキのようななだらかで起伏の少ないデンマークは、雪がたくさん積もることはありませんが、湖が凍りつき天然のアイススケートリンクとなります。

デンマークに暮らした頃、凍った湖に出かけると、大きなベビーカーに赤ちゃんを乗せて、氷の上を散歩している母親たちに会いました。デンマークの子育ては、夏も冬も外の空気に十分ふれることを大切にしています。

 1908年から毎年欠かすことなく作られてきたロイヤルコペンハーゲン社のイヤープレート、これは、年に一度のクリスマスの時に主人が使用人にごちそうを盛り付け贈ると、送られた方がそのお皿を壁に飾ったのが始まりだそうです。

そんなことからイヤープレートの図柄は、冬から早春にかけての風景、1966年は、黒つぐみと教会が描かれています。黒つぐみは、ヨーロッパでは、どこにでもいる一般的な鳥で、ビートルズの歌のタイトル‘ブラックバード’もこの黒ツグミです。

青いホーローのポットとカップ イラストJ.Kikuchi
青いホーローのポットとカップ イラストJ.Kikuchi

 

 さて、今日のスケッチは、日本製の青いポットとポーランド製の青い花の食器。自然界の食べものには、青いものが多くありませんが、青い食器は、日本製にも外国製にも意外とあります。空色よりも濃くて、藍色よりも薄い色をイメージして、青と呼んでみました。

 日本人は、色々な国の文化や技術を取り入れて自分のスタイルでアレンジして楽しむことが上手な民族だということを日本人の食卓にも感じます。友人が東京で開いているイタリア料理のお店では、山菜を見事に使っています。

フランス風ビストロと称するお店に伺うと、ワラビが野菜のテリーヌにそしてふきのとうのフリッターがウサギのコンフィに添えられていました。デンマーク風のオープンサンドを作り長崎の波佐見焼きの器に並べたらとてもしっくりきました。和食がユネスコの無形文化遺産に登録されましたが、テーブルのコーディネートも含めた洋食というジャンルも日本の素敵な文化ですね。

 里山に暮らし、多様な食文化をごちゃまぜにして、その時々で求めた食器を仲良く合わせて、地元の素材で食卓を作って行くのは楽しみです。そんな時、何か一つキーワードをセットして、どことなく繋がっているような感覚や訪れた方のキーワードを隠し味に入れて楽しんでいます。

イラストのテーブルのキーワードは、「青」、日本製のホーローの青とポーランド製の陶磁器の絵付けの青が繋がっています。ホーローのポットには、熱々のほうじ茶オーレを入れてカップに注ぎます。滋賀県から届いたほうじ茶と牛乳の代わりに青ばた豆の豆乳を使って友人を迎えました。楽しいおしゃべりをラスクといっしょにしませんか。