コメツガの松ぼっくりとラスク

 森に囲まれた里山ソムリエな日々
里山でラスクを頂きながらあんなこと、こんなことおしゃべりする、そんな時間が届きますように。

黒糖プリンとラスク

 

 雪国に移住したばかりの頃、雪の降る前の晩秋にパンジーやビオラがたくさん店先に並んでいるのを見て驚きました。「これから雪が降るのに大丈夫なのかしら、、、」と、思ったのですが、一冬越すと、その謎がとけました。

雪の下は思いの外、植物にとって居心地のよい環境のようで、一冬越すと株をしっかりと大きくして春にはたくさんの花を咲かせてくれました。ビオラとパンジーは、どちらもスミレ科スミレ属の花で、大きさによって呼び名がちがうようです。

 大好きなパンジーの描かれたお皿でティータイムをしていると、空想の旅に連れて行かれました。だれもが持っている心の中のスクラップブック、何かの拍子にいろんな過去の切りぬきを思い出すことがあると思います。

 大学生の頃、英国人の先生の影響で、シェークスピアの様々な戯曲や詩に興味をもちました。結婚し、しばらくして、どうしても気になることがあり、イギリスの大学の寮に暮らし、英文学に登場する花について調べたことがありました。

働くことと妻であることをお休みして期限付きで学生に戻ったのです。それから母親になり、里山で暮らし、様々な花に出会うと、いろんなシーンが浮かんできます。

 ウィリアムシェークスピアの「A Midsummer Night’s Dream(真夏の夜の夢)」にも、パンジーが登場していました。妖精の王様オベロンとお妃がけんかをし、怒った王様がお妃にいたずらをするシーンです。

紫色のパンジーの花を絞った汁を瞼にぬると、目が覚めて最初に出会った人を盲目的に愛してしまうというお話です。そのせいか、イギリスでは、紫のパンジーは恋のキューピッドと思っている方もいるようです。これからの季節、小さなパンジーのブーケを作ってプレゼントに添えてみるのもすてきですね。

コメツガ イラストTOMMY

 

 さて、今日のスケッチは、コメツガ。親指ほどの小さな松ぼっくりです。
私が里山に引っ越すきっかけにもなった木です。子どもが小さな頃、山形のあちこちでいろんな松ぼっくりに出会い、名前をつけました。中でもこの小さな赤ちゃん松ぼっくりと、バラぼっくりと名付けたシダーローズはとても好きでした。

 里山の家の入り口には、コメツガの大きな木があり、木の下には一年中松ぼっくりが落ちています。小さな子どもさんが遊びに来ると、すぐに見つけて拾い始めます。小学生のお兄さんやお姉さんがそこに加わり、たくさんのコメツガの松ぼっくりを拾い集めると、今度は工作作りがはじまります。

柔らかいワイヤーで巻いて、直径10センチほどのリースを作り、その真ん中にティーキャンドルを置くと、すてきなテーブルの飾りにもなります。

 そういえば私も幼い頃、二人の妹たちと、東京の家の庭でいろんな遊びをしました。草を編んだり、つみ草のブーケを作ったり、ままごとのごはんのおかずは、カラスノエンドウやハコベだったり。里山に引っ越し、遊びにやってくる子供たちとその頃の続きを四季折々に作っているような気がします。

 先日、里山の小学校の卒業式に、鉢植えのミニバラで作ったコサージュをつけて出かけました。玄関で出迎えてくれた5年生が、「ほんものの花をつけるなんてすてき!」とほめてくれました。うれしくなって、「花が咲いたら、みんなでコサージュ作りをしようね。」と、約束しました。

 片手でラスクのおやつを食べながら、子供たちとそんな時間を過ごす花々の咲く頃がたのしみです。楽しいおしゃべりをラスクといっしょに。