里山に暮らして育ててもらっているあそび心

 森に囲まれた里山ソムリエな日々
里山でラスクを頂きながらあんなこと、こんなことおしゃべりする、そんな時間が届きますように。

かぼちゃの器にとりどりのラスク

 暮らしをいつもワクワクさせてくれるのは「あそび心」。あそびは、人生の中で大切なゆとりなのかと思っています。ゆとりというのは、相手のことも自分のこともゆるす、そんなやさしさから生まれるように感じます。

ゆとりがなくなる時は、自分のことがゆるせなくなってしまっていたり、相手のことがゆるせなくなっていたり、そんなことありませんか。

そんな時、自分自身に「あそび心」の魔法をかけましょう。春には、別れや出会い、寒さや温かさなど、いろんな両極端の感情を身体が受けとめなくてはならないことが多くあります。そんな時も「あそび心」です。

 まだ温かさが安定しない里山の自宅にいろんな種類のラスクが届きました。ラスクはそのまま色々なシーンにつかえるので、「あそび心」が膨らみます。とりあえずおいしいお茶を頂こう、とりあえずリキュールを飲んでみよう、とりあえずおしゃべりしよう、、、そんなゆとりの時間を作ってくれます。

 光のさした外をのぞくと、デッキの上に冬をこしたカボチャが並んでいました。北国山形の里山では、半年以上、畑の収穫がお休みになるので、いろんな野菜を保存する知恵があります。

ひとつひとつの食べ物を大切にしながら冬を越し、春一番の山菜が取れるようになると、贅沢に保存してあったものを使い切っていきます。そんなカボチャを丸ごと大きなお鍋に入れ、少量の水で炊いてみました。頃合いをみて取り出し、皮をむくとかぼちゃの器が出来上がり。

「あそび心」の魔法は、日常にちょっぴりゆとりを作り出してくれます。もしもパンパンになっているだれかを感じたら、「あそび心」をプレゼントしてみませんか。考える自分が一番ワクワクしますよ。

手作りのハンモックと子ども イラストJ.Kikuchi

 

 里山の住人たちは、「あそび心」を持っている方が多くいます。お店に行けばなんでも買えるどころか、今はインターネットのワンクリックで里山に暮していてもお買い物ができます。それでも、里山のおじいちゃんたちは、そんなこととは別世界で暮らしています。

 森にハンモックをかけたいと思ったら、里山のおじいちゃんたちがまず考えることは、家にあるもので作ってみることです。カゴを作るために皮をはいだ硬くて太いくるみの枝を二本、そして家にあったロープの束をもってやって来ました。

上手にできないとだめなんてだれも考えない、できなかったらどうしょうなんてだれも考えない、みんなで林の中に大きなベニヤ板を敷いて手を動かしていくと、すてきなハンモックが完成しました。

 ハンモックに一番で飛び乗った男の子の笑顔、それをうらやましそうに見つめる子どもたち、そして満足そうなおじいちゃん。どうしてはじめてなのにこんなに素敵に完成するのか、それは、日常の暮らしのなかで、雪囲いの丸太を固定する時、野菜を束ねる時、荷物を運ぶ時に、普段からロープワーク、紐結びをしているからなのでしょう。

里山にはハンモック作りの学校も、かご編みの学校も、そば打ちの学校もないけれど、いろんなことができていくのは、あそび心をもったおじいちゃんたちのおかげなのかもしれません。

 里山に暮らして育ててもらっているあそび心をこれからもお届けしますね。里山で手を動かしながら、楽しいおしゃべりをラスクといっしょに。