自然と共生する山形の里山の暮らし

 森に囲まれた里山ソムリエな日々
里山でラスクを頂きながらあんなこと、こんなことおしゃべりする、そんな時間が届きますように。

柏の葉の上にラスクをのせて

 

 太陽が沈むのがゆっくりの夏至の頃は、日没が近づくと空はロマンチックに色を変えていきます。日没後30分ほどの夕焼けが空を染める時間は、マジックアワーと呼ばれています。

 小さな里山で開いている英語の教室、子どもさん達が帰るとき、「もう一度ブランコにのっていく!」というのが、日の長い今頃です。
里山の原っぱには、電灯がないので、美しい夕焼けの後は、すぐに暗くなっていきます。夕焼けを見て子ども達が「明日は晴れだね」と自転車で元気に帰っていきました。

 都会で生まれ育った私は、里山に暮らし始めた頃、暗闇がとても怖く感じました。でも、自然の中でしばらく暮らすと、いろんな感性が目覚めていくのを感じました。

 この辺りでは、東西南北にみなさんとても敏感で、会話にもよく登場しますが、都会に暮らしている頃は、確かにあまり気にしませんでした。場所を説明するときも、「西に歩いてください」という代わりに「○○ビルの方向に歩いてください。」と、いうのが普通でした。

 西の空に美しい夕焼けの次の日は晴れで、東の空の朝焼けの後はお天気が下り坂になることも、里山の子ども達に教えてもらいました。きっとおじいちゃんやおばあちゃんから、いろんなことを教えてもらっているのでしょう。

 「森の中に柏餅の葉っぱがあるから、柏餅を作れるよ」と、教えてくれた中学生、持ってきてくれた柏の葉があまりに大きくてびっくりしました。ラスクと手作りの和菓子をのせて、夏至の日のロマンチックは夕刻を迎えましょう。

ふきの葉に包んだタンポポのシュトラウス イラストJ.Kikuchi

 

 クローバーの葉っぱの間に黄色いアクセントのように咲いているタンポポの花、最初に咲き始めたのが綿毛になった頃、次の花が咲き始めていました。

 四つ葉のクローバーが見つかる場所を子ども達は知っていて、1日に10枚も見つけることもありました。「すぐに四つ葉が見つかるところがあるよ」と、子ども達に連れて行ってもらうと、本当にたくさんありました。どうしてそんな場所があるのか、毎年不思議に思っています。

 「シロツメクサの首かざりの作り方を教えて」と言われ、みんなで作っていると、タンポポをつんでいた女の子がそれを花束にして、ふきの葉っぱで包んでいました。とっても素敵!

 次にみんなで森の近くの柿の木の下に行くと、ミョウガの葉っぱがたくさん出ていました。山形では、このミョウガの茎の部分をミョウガタケと言い、それを細かく刻んで「だし」と呼ばれる一品を作ります。刻み昆布と野菜の刻んだものをまぜた家庭料理で、畑の色々な野菜が入っています。

 ブランコの近くでは、三つ葉が群生し、それをつみながら「今日のお味噌汁は三つ葉、お豆腐にミョウガダケのだしを乗せて食べよう」と、話すと、子ども達も手伝ってくれました。

 「先生は、おつかいに行かないの?」と小学1年生に聞かれ、ニコッと笑うと、「いいね」と返ってきました。エシカルコンシューマー、自然と共生するそんな暮らしがあることを子どもたちのおかげで再認識しました。

 ラスクと一緒に里山でのおしゃべり、山形でご一緒したいですね。