美味しいラスクと一緒に語り合う楽しみ

 森に囲まれた里山ソムリエな日々
里山でラスクを頂きながらあんなこと、こんなことおしゃべりする、そんな時間が届きますように。

バターのしっかり効いたラスクのおやつとハーブ

 

 きちんと面倒をみてあげていないのに、毎年姿を現してくれる植物たちに感謝しながら季節が動いて行きます。和ハーブと洋ハーブが混在している庭先、ドクダミとミントが仲良く生い茂っています。

 フレッシュの葉は独特の匂いで敬遠されるドクダミですが、太陽の光で乾燥させてお茶にすると美味しくいただけます。ミントは、乾燥させるより、フレッシュなままお湯を注いで頂くのが好みです。

 写真のボリジは、青い星のような花で、お菓子やアイスクリームに添えると、その一品がよそ行きな雰囲気になってくれます。その花を眺めるだけでも気持ちが高まりますが、本当にそんな効能があるそうです。

 いつもの夕食、食前の白ワインに、ボリジの花を浮かべたら、とても素敵な気分になりました。時間が経つにつれ、ボリジの花はグラスの中で可愛い色に変わって行きます。中世の騎士たちは、戦いの前にボジリの花を浮かべた盃を交わしてから出陣したそうです。勇気を与えてくれる素敵な青い星ですね。

 さて、ハーブというと、西洋のハーブばかり思い浮かんでいましたが、里山に暮らして、香りの良い日本の植物たちが気になるようになりました。畑の小道に並んでいるカキドオシ、垣根も通り越して咲くから「垣通し」という名前がついたそうですが、確かに繁殖力があります。ドクダミもスギナもヨモギもそしてカキドオシもすばらしい効能のある和ハーブたち。

 足元には、力になって助けてくれようとしている存在があることに気づくと、周りには素敵なことがいっぱい。ドクダミとスギナを干したら、ラスクでおやつをいただきます。

 

ブランコに揺られギターを楽しんだあの頃 イラストJ. Kikuchi

 

 風を感じながら、外で過ごしていると、鳥の声、木々や花の香り、クワガタの登場、、、と、季節がどんどんと動いていることを感じます。

 夏の日の夕方、父親と娘がギターを持ってブランコで揺れていた日を思い出しました。楽器を持ち父親の横に笑顔でいたあの頃の娘は、ギターは弾かないけれど、そんな二人の様子が、なんか好きでした。小さなギターは、ずっと家に飾ってあって、興味を持ったお子さんがくると、手に取ります。

 外での楽器の演奏は、リバーブのような残響効果はなく、作られた音はスッと森の中を走り抜けるように消えて行きます。ギターの音のように、子どもの小さい頃は、日々走り抜けるように過ぎて行きました。だから、同じ季節でも、一つ一つの思い出がちがって、大切なのですね。

 里山に英語を習いに来ていた子どもたちが大きくなって訪ねてくれることがあります。私の心の中には過ぎて行ったあの頃の子どもたちがずっとどこかにいるようです。そして、今ここへやって来る子どもたちが、同じことをしているのに微笑んでしまいます。

 今頃は、柿の小さな実、落ちた梅の実やなしの実を集め、葉っぱのお皿でおままごとをしたり、桑の実を食べて顔を赤くしたりしています。

 里山のそんな日々は、子どもたちだけでなく、ここに暮らす私の創造力も掻き立ててくれます。桑の木へは、葉っぱのトンネルをくぐって探検しながらいけるようにしたり、アカシアのイバラに囲まれた秘密基地を作ったり、子どもたちが喜んでくれることが原動力です。

 いつかこの子たちが大きくなって再会したら、美味しいラスクと一緒に語り合うのも楽しみです。