山形のリンゴと自然と対話する里山の暮らし

 森に囲まれた里山ソムリエな日々
里山でラスクを頂きながらあんなこと、こんなことおしゃべりする、そんな時間が届きますように。

摘果された青リンゴのアレンジメントとラスク

 

 山形に移住し、果物は生産者の方から直接分けて頂く暮らしに変わりました。今頃は、昨年とれたリンゴも終わり、秋にリンゴが取れるまでの端境期です。リンゴは、山の裾野の広い畑で、太陽を浴びながら成長中です。

 さて、仲良しの農家さんに小さなリンゴをいただきました。花をテーブルに飾っても暑さですぐに元気がなくなってしまう頃、小さな青リンゴのアレンジメントは涼やかでゴージャスです。キャンドルを飾るとまるでよそ行きの雰囲気になりました。
摘果されたリンゴも、テーブルでみんなを笑顔にして、きっと喜んでいるような気がします。こんな贅沢な暮らしができるのも生産者の方とのご縁のおかげです。

 山形県では、サクランボ、ブドウ、リンゴ、洋ナシ、プラム、ブルーベリー、リンゴなど、地域ごとに違った果物を主に育てています。朝日町や米沢市では、リンゴが有名ですが、リンゴだけでも10種類もの違った品種があります。9月の中旬をすぎると早い品種の収穫が始まり、畑の前に台が置かれ、無人の販売所ができます。

 リンゴは、紅玉とフジくらいしか意識したことのなかった私は、新しい品種が並ぶたびに、毎年ワクワクしています。東京で暮らす二人の妹にも色々な種類のリンゴを送り、食べ比べてもらっています。
私は、陽光が好き、私は千秋(せんしゅう)が好き、私はジョナゴールドが好き、、、などと、味の違いのわかる三姉妹になっています。

 紅玉リンゴをバターソテーして、ラスクと一緒にいただくのが、今から楽しみです。

ドクダミと青紅葉のリースJ. Kikuchi

 

 森の入り口に青紅葉が元気よく枝を伸ばしています。アケビの蔓を四つ編みにしたリースに、青紅葉とドクダミの花をさしてみました。花と対話する時間を持つと、学生の頃、生け花を習いに行っていたことを思い出します。剣山に花を生け、先生に見ていただき、最後は花を全部剣山から外して持ち帰り、家でもう一度生け、床の間に飾りました。花を生ける時は人と対話をせず、花と対話をしていたように感じます。

 仕事を始め、ロンドンに暮らした時、幾何学的なパターンを花で再現するフラワーアレンジメントを習いました。例えばダイアモンドというアレンジメントは、ダイアモンドの外形を作り、中心のフォーカルフラワーを挿し、その間を隙間なく埋めていきました。アレンジしたものは、そのまま大きな袋に入れて持ち帰りました。みんなで大きなテーブルに対面し、楽しいおしゃべりをしながらのレッスンを楽しみました。

 日本の生け花とフラワーアレンジメントは、どちらがいいということはないけれど、日本人は「空間」や「自然」そしてお稽古を通し、自分と向き合う時間を大切にするように感じます。

 古い民家のゲストルームにやって来た人が必ず何か自然を愛でる言葉を残してくれます。「川の流れる音がいいですね。」「風が通りますね」「ヒグラシの鳴く声がいいですね」
 里山に暮らし、お花のお稽古に行くことはなくなりましたが、自然と対話をしながら自分に向き合う時間が今は修行なのかもしれません。

 少しずつ夜の時間が長くなる頃、ラスクをお供におしゃべりしませんか。