笑顔を奏でるハーモニー

小学生の頃「スクールコンサート」という行事があった。

プロの演奏家が来校し、演奏を披露するというものだった。私はそのとき初めてバイオリンやビオラなど本物の楽器の音色を耳にし、プロのオーケストラによる演奏を間近で観たのだった。
そのオーケストラが山形交響楽団である。

幼いころからピアノを習っていた私は、「音楽」にとても興味があった。
しかしピアノや学校内の鼓笛隊以外生の楽器や演奏に触れる機会がなかったので、体育館中に響き渡るなめらかで伸びがあり、かつ、緩急のある迫力ある演奏は今でも記憶にあるほど印象的な演奏であった。

日本にはプロのオーケストラがいくつあるがご存知だろうか。

現在、プロのオーケストラは23楽団体(社団法人日本オーケストラ連盟)あり、そのほとんどは東京や関西などの大都市圏に集中している。
政令指定都市以外の都市にある地方のオーケストラは、群馬、金沢そして、山形交響楽団(山形の3つ)のみ。

さらに東北地方には、仙台フィルハーモニー管弦楽団と山響の2つしかない。あ、山形交響楽団の愛称は山響(やまきょう)だ。

山響は、1971年に、現在の創立名誉指揮者である山形県村山市出身 村川千秋氏を中心に東北で初めてプロオーケストラとして誕生した。
村川氏が山形にオーケストラを作ろうと思ったきっかけの1つに、アメリカでの留学体験があったという。

当時、日本でのオーケストラ演奏というと、まだまだ敷居が高く、演奏会を聴く機会というのは頻繁にはなかった。
しかし留学先のアメリカには、地方の小さな町にもオーケストラがあり、演奏会には多くの地元の人たちが訪れていたという。

音楽は大都会でやるものという思い込みがあった村川氏にとって、ここでの経験は衝撃的な出来事だったようだ。

帰国後、村川氏は地方でオーケストラを作るために奔走し、ついに山形交響楽団が誕生する。

設立から、今年で46年を迎える山響。地方でのオーケストラ活動に様々な苦難や苦労があったことは想像するに難ないが、それでも多くの人にプロオーケストラの音を聴く機会を造りたいという村川氏のマインドは今も受け継がれている。

そのひとつが、先述した県内各学校にオーケストラが出向いて行う「スクールコンサート」だ。

山響設立当初の1972年から続いている活動であるスクールコンサートは、これまでのべ300万人の子どもたちに生の演奏の魅力を届けてきており、中には山響の音楽に胸を打たれて音楽の道に進み、山響の試験に合格した団員もいる。

「県内の全ての子どもに本物の交響曲を聞かせたい!」という思いのもと無謀とも言われた活動ではあったが、歴代の指揮者・楽団員はその使命を果たしてきたのだ。

そんな地域と密接に関わり続けてきた山響が、昨年初開催し大好評を得たイベントが9月18日開催される。

修験の山・山岳信仰の聖地として1400年の歴史を刻み続け、昨年世界遺産にも指定された「出羽三山」。
そのひとつ羽黒山でのコンサートだ。その名も「出羽三山シンフォニー」。

出羽三山の神々が合祀される三神合祀殿を背景に、「もののけ」の「姫」の気配を感じられるような屋外演奏会になりそうだ。「世界で山響だけ」の音をぜひ現地で感じて欲しい。

音楽は、いつの時代も私たちの心を癒したり感動させたりと、人生の節目や生活を豊かにしてくれる。
日常に近ければ近いほど、その素晴らしさや奥深さを感じることが難しいとされるが、山響も子どもたちに音楽を届ける「伝統」を引き継ぎながら、様々な企画を展開したりして、海外の著名な指揮者や演奏家からも評価を受ける実力をもった楽団へと進化してきた。
シベールもまた、私たちの消費者のたくさんの笑顔を作るため、飽くなき挑戦を続けながら美味しさを届けきた。
笑顔を奏でるハーモニー、、、音楽もラスクも進化し続けてきたからこそ「今」があり「未来」があるのかもしれない。