枝豆のケークサレとラスク

森に囲まれた里山ソムリエな日々
里山でラスクを頂きながらあんなこと、こんなことおしゃべりする、そんな時間が届きますように。

枝豆のケークサレとラスク

 山形県は、地域によって食文化が違いますが、みんな枝豆と里芋が大好き、多くの方が自分の畑で育てています。私も枝豆を畑で収穫し、里芋を芋煮のために作る山形人になりました。

 山形に移住したはじめての夏、近所のお母さんに枝豆の餡の作り方を教えてもらいました。畑からとって枝豆の枝からさやを外し、茹で、豆を取り出し、薄皮をむき、年季の入った、大きなすり鉢ですります。

一人がしっかりとすり鉢を持ち、もう一人が左手を固定し、右手ですりこぎ棒を回します。そこにお砂糖を加えていくと、美味しい緑色の餡が出来上がります。フードプロセッサーでなく、すり鉢で作った餡は、体もハートも喜ぶ美味しさでした。

 近所のお母さんたちは、台所仕事をするときは必ず手ぬぐいを姉さんかぶりにして、母親が娘に教えるようにいろんなことを教えてくれました。
そんなお母さんたちは、80歳を超えた今も元気に畑で仕事をしています。誰かの「美味しい!」の笑顔を作る畑と台所が、お母さんたちの元気の素なのですね。

 たくさんできたものをお裾分けする文化が残る里山の暮らし、私は自分の畑で取れた枝豆で、ケークサレ(甘くないケーキ)を作ってお裾分けに行きました。

「上がって一服しねが」と言われ、茶の間にお邪魔し、漬物とお茶をいただいていると、ケークサレは仏壇にあげられました。頂きものは、まずご先祖さまにお供えするのも大切な日本の文化ですね。

 里山でラスクと一緒に一服しながら、おしゃべりしませんか。

里の花のはち蜜 J. Kikuchi

 

 鄙びた趣のある庵に、蜂蜜作りをしている友人を訪ねると、ユリの木の葉が大木から数枚、旅立ち始めていました。花はチューリップに似ているのでチューリップの木と呼ばれるユリの木、落ち葉の形も可愛らしく、拾い集めていると友人が笑っていました。
秋の始まりには、落ち葉を拾い集めるのが、子どもの頃から大好きでした。

 大人になってから知り合ったのに、ずっとずっと昔からの知り合いのような大切な友人が、城下だった町の周辺の里山のあちこちに住んでいます。里山の庵で、彼女から頂いた百花蜜には、きっとユリの木の花の蜜も入っているのでしょう。

 彼女を訪ねるのは、決まって朝、お茶菓子を持参すると、お抹茶を点ててくれます。植物の話をしたり、もう少し年を重ねたら着物ので朝茶をする約束をしたり、春には山菜や、ベリーの苗を頂いて帰りました。これからの寒い季節、彼女にもらった蜂蜜の蜜蝋をリップの代わりにして唇の乾燥を防ぎます。

 さて、木々の葉が染まり始める頃、実りの季節も始まります。イチジク、プルーン、ブドウ、、、大好きな秋色パープルがテーブルを彩ってくれます。里山の果物は美味しいばかりでなく、いろんな効果があるようです。

 パープル色に染まったイチジクを折ると、白い液体が湧いて来ます。これを肌に塗ると、肌が柔らかくなるそうです。クレオパトラがその美しさを保つためにフィグ、イチジクを好んで食べていたことと、里山のおばあちゃんの知恵袋がどこかで重なりました。

 次回、里山の庵に朝茶に行く時は、ラスクと一緒にイチジクとこのお話をお土産にしようかな、、、そんなことを考えながら、イチジクを口に運びました。