実るほど こうべを垂れる 稲穂かな

「最近、知らないお米のブランド、多くない?」スーパーで買い物中にしたそんな会話。

もちろん「こしひかり」などのおなじみのお米も売っているが、「ゆめぴりか」「元気つくし」など、お米の名前とは思えないような新品種が目を引く。

そういえば米どころ・山形でも、2010年に「つや姫」という新品種を世に送り出している。

山形県は四季の変化が鮮やかで、山間部の冬の豪雪はそのまま山に貯えられ、やがて豊かな湧き水となって水田を潤す。
肥沃な土壌に加え、年間・昼夜の温度差が大きく、米づくりに最適な条件を備えた土地なのだ。

 

 

現在山形県では、主力品種「つや姫」、「はえぬき」を柱に、ひとめぼれ、コシヒカリ、あきたこまちなどを生産しており、特に、「はえぬき」は日本穀物検定協会の食味ランキングで、最高の特A評価を22年連続獲得している山形を代表するブランド米だ。

だって地元プロサッカーチームのユニフォームに「はえぬき」ってプリントされていたからね!
(今は「つや姫」がバックプリントされている。やっぱりお米推し!)

山形県の稲作は明治10年代から近代化が始まり、昭和初期には反当たり収穫量が全国平均を大きく上回るようになった。

農業に熱心な篤農家が多く、明治26年には庄内町(旧余目町)の阿部亀治が育成した米の新品種「亀の尾」が発表され、安定多収・良質良食味とあって全国に普及したという。

その後、美味い米の代表としての評価も高くなった「亀の尾」は、多くの品種改良の交配母本とされ、今日の美味い米のルーツになっている。

「はえぬき」も「こしひかり」も元をたどれば「亀の尾」なのだ。明治の頃から米づくりに夢をかけてきた山形人らしい気質が感じられる。

そんな夢は今なお受け継がれている。先の「亀の尾」のが祖先で、コシヒカリやはえぬきをもしのぐ美味しさを求められて、なんと10年もの開発期間をかけて開発されたのが、先述した「つや姫」だ。

甘みや旨味、艶などに優れていて、美味しいお米の代名詞として、専門店やお米を扱う飲食店でも評価が高い。

そしてさらに、その「つや姫」の弟分として、「雪若丸」という新品種が来年本格デビューを控えている。お米戦線はますます激化していきそうな勢いだ。

ただ、日本人の食生活が欧米化し、コメの国内需要は減少傾向にある。

ピーク時の1960年代後半は生産量1400万トンを超えたが、2011年には856万トンまでに落ち込んでいる。

こういった状況でも各地の米の印品種開発がこれほど活況しているのは、消費者が求める米の味の良さや品質の高さが産地間競争を引き起こしているからだという。

美味しいお米を多くの人に食べてもらいたいというのはもちろんだが、新品種をブランド化する試みが、産地の新たな評価を生んでいるというのだ。

また、国内のみならず、海外輸出にも道が開けるというのも食味のいいお米が多く開発される理由のひとつらしい。

一方で、外国の安い米が輸入されている現状を考えると、守るにしても攻めるにしても外国産米との競争は今後ますます厳しくなりそうだ。

日本人としてはやはり少々値が張っても、美味しくてしかも安全なお米を食べていきたいと思うし、未来を担う子どもたちにも、日本のお米の美味しさはもとより、日本の農業が日本人の胃袋を支えてきたということを伝えていかねばならない。

いずれにしても良いものを「いいもの」として発信する難しさは私も身にしみて感じるところ。

先日岩手方面へ出かける途中に寄った高速のサービスエリア内でシベールのラスクを発見した。

行き交う人がシベールのラスクを手に取っていた光景を目の当たりにして、日本全国様々なエリアのお客さんが立ち寄る場所でも、ひとりでも多くの人の記憶に残る・手にってもらう・購入してもらう。というアピールをしていたシベールのブランド意識の高さに関心した。

しかもさりげなくもしっかりと。そのバランス感覚をぜひ山形の新品種「雪若丸」にも付けてもらい、地域ブランドのひとつとして、全国で愛されるお米に成長してもらいたいと思う。