里山の暮らしを彩る自家焙煎珈琲と染織

森に囲まれた里山ソムリエな日々
里山でラスクを頂きながらあんなこと、こんなことおしゃべりする、そんな時間が届きますように。

 

コーヒー好きのためのコーヒーブレイク

 

 優しい光に誘われ、コーヒーを入れたカップと一緒に外へ出ると、虫の声と川の流れが聞こえてくる秋の日。見上げると大きな塊の白い雲が青空を移動中です。

 その日のコーヒーの豆は、自家焙煎したもの。ちょっと憧れて始めたコーヒーの焙煎、味が落ち着く前の焙煎したてのコーヒーも意外と好きです。煎りたて、挽きたてのコーヒーは、ペーパーフィルターに入れお湯を注ぐと、驚くほど膨らみます。

 我が家流のコーヒーの焙煎は、直接豆に火が当たらない穴の空いていない金属のドラムを使っています。直火で20分ほど煎り、豆のはぜる音を合図に火を止めます。

 コーヒーを焙煎して知ったことは、生豆でなくて、焙煎したコーヒーが、いわゆるコーヒーの香りということ。

外で焙煎をしていると、次第にコーヒーの香りが辺り一面に広がります。煎り上がった豆はドラムから出し、金属製の網の上で、急速に温度を下げます。

気持ちが集中していないと、シティローストを通り越しフレンチローストになってしまいます。でも、それはそれで美味しくいただけます。年を重ねると、自分にも少し優しくなれる「ゆとり」ができるのかもしれません。

 その「ゆとり」が自分にも自分以外の人にも大切な日本の文化のように感じます。合理的なことや、効率を極めすぎず、正解を一つに決めない、ゆとりと優しさの「間」を里山で感じ、育ててもらったのかもしれません。

 シベールさんから、優しいお便りと一緒にコーヒーラスクが里山に届きました。誰かにプレゼントしたくなるような、素敵な箱に入っています。

植物で染められた絹糸たち J. Kikuchi

 

 知人が京都から、染めと織りの体験をしに山形にやって来ました。「染織」という言葉に出会ったのは私も山形に暮らしてからです。糸を染め、それを自ら織る染織作家さんが近くに多くいらっしゃいます。

 染織工房を訪ねると、自然の植物で染められた草木染めの美しい絹糸が並んでいました。紅花、ウコン、茜、藍、紫根など自然からもらった美しい色たちに日本の四季と暮らしが重なるように思いました。

木の葉が色づく陰暦9月は、「色取り月」という別名があります。自然の色の変化の中で暮らすことから生まれた美しい言葉ですね。

 並んだ糸の中で、シックな茶色の糸が気になり、どんな植物で染めたのか伺うと、栗のイガという答えが返ってきました。栗は、葉だけでなく、樹皮もイガもタンニンを多く含むので、染料としては一級品だそうです。

 朝、庭先に出ていると、近所の古民家に東京から引っ越して来られた素敵な方が、カゴに栗を入れて届けてくださいました。前の日の夕刻にイチジクをお裾分けしたカゴに、栗のお裾分けが返ってきたのです。

 里山に暮らすとコミュニケーションは、言葉だけでなく、暮らしの中のちょっとした気遣いだったりすることを感じます。私も彼女もきっとそんなコミュニケーションが好きなのかもしれません。その日は、仕事から戻ると、栗ごはんを炊いてお届けしました。(笑)

 日常の暮らしの中に大切なゆとり、そんな「間」は、自然を介して私たちに届けられているように感じます。

 ラスクと一緒にお茶をしながら、里の秋のおしゃべり、いつかご一緒したいですね。山形の秋、休日はお祭りや芋煮の賑やかな風景が広がっています。