健康にも効く!山形の菊!

シャキッした歯ごたえ、さわやかな香りが甘くてほろ苦い味を引き立てる、山形が誇る元祖・エディブルフラワー(食べられる花)。それが食用菊だ。
ピンクの色彩が特徴的な秋の味覚のひとつとして、山形の食卓では秋になるとよく目にする。

菊は中国原産で奈良時代に日本に入ってきたとされ、当時は観賞用や薬用として使われきたが、花びらを食べるようになったのは江戸時代からと推測される。
そして山形県は食用菊の生産量日本一だ。
東京の中央卸売市場で扱う6割以上は山形県産が占める。

食用菊というと、黄色い菊をイメージする方も多いかもしれない。
冒頭のピンクの菊は独特の香りと風味、味の良さで『食用菊の横綱』と評価されていて、「もってのほか」や「もって菊」と呼ばれる。

湯通しするとその色はさらに鮮やかになり、食卓に彩りを添える。その名前もユニークなのだが、由来は「天皇の御紋である菊の花を食べるとはもってのほかだ」とか、「もってのほかおいしい」など諸説ある。

我が家にも小さい頃から食用菊が栽培されていて、この時季になると大量の菊花があった。
黄色やピンク、紫といった色とりどりの菊花がテーブルの上に広げられ、それはまるでお花畑のよう。

食用菊は花から花びらだけを散らして食べるので、このお花畑の菊の花から花びらを散らす作業が、私の役目となることが多かったのである。

小さい頃は味気のない素朴な味と花を食べる・・という感覚に慣れずに、あまり口にする機会は多くなかったが、やはりそれなりのものを食べてくると、食も原点回帰というか、素朴で素材そのものの味が楽しめるものを好んで食べるようになるのである。
菊もしかり。

食用菊の一般的な食べ方はおひたし。沸騰したお湯に酢を入れて、その中に散らした花びらを入れサッと湯がいた後に冷たい水にさらすのが基本だ。お酢を入れるのは茹でたあとにも変色しないから。

そのほかにも酢の物や和え物、クセがなく彩りが良いので、ナスやきゅうりと一緒に漬けたり、甘酢漬けなどの素材としてもおすすめだ。シャキシャキした食感とほんのり感じる苦味。
そして菊そのものを感じられる香り。味覚の秋を感じる食材のひとつだ。

そんな菊にはビタミン類が多く含まれているそう。
民間療法でも菊は古くから取り入られてきて、目の疲れや視界回復に役立ち、高血圧の改善にも用いられてきたそうだ。
漢方では風邪に効くとされ、鎮痛作用や解毒作用、解熱作用に最適というから豊かな香りと美しさだけでなく、健康にも役立ち古くから重宝されるには、こういった理由があったというのも納得だ。

食べればその「もってのほか」という名前にも納得できる美味しさ。
我が家の食卓に食用菊とシベールのラスクがないなんて・・・・もってのほか。な秋なのである。