冬支度の里山と色彩りラスク

森に囲まれた里山ソムリエな日々
里山でラスクを頂きながらあんなこと、こんなことおしゃべりする、そんな時間が届きますように。

パッケージとラスク

 

 黄金色の絨毯のような田んぼが青空の下に広がっていたのが、ついこの間のことでした。今はもう、稲刈りが終わった畑には、冷たい風が吹きはじめています。

 昔から日本人は、稲刈りを終えると、年を納めていく準備を少しずつ始めていたように感じます。雪国ではその前に、いろんな冬支度もあります。

 休日に千葉から来た友人が、店先に並ぶ縄の山を見て、一体あの縄は何に使うのかと、私に尋ねました。私も山形に移住した頃、秋になると店先に縄がたくさん積み上げられているのを不思議に思ったのを覚えています。

 その縄こそ、冬支度になくてはならないもの。庭の木々や垣根が折れないように木で支え、縄で縛り雪囲いをしていくのです。紅葉が始まる前に、木々に雪囲いをしてしまう家もあります。(笑)

 そんな冬支度をしながら、お世話になった方々の贈り物を考える頃です。贈り物の包みは、中身が壊れないようにする機能性と同時に、言葉に代わり気持ちを伝えてくれる色やデザイン、素材も大切な要素です。

 秋色のパッケージに入った色彩りラスク、収穫の秋にぴったりのデザイン。箱の上に今年の黒米の稲穂をつけて友人に届けました。シックな包みを開けると、色とりどりのラスクが並んでいます。

 ラスクと一緒にお届けした山椒の木のすりこぎ棒、これは、ずっと前に約束したもの。裏山で、ゆっくりと時間をかけて、大きくなってくれました。

薪割りの斧 J. Kikuchi

 

 里山に暮らし、自然や周囲の方達と関わる楽しさを、折々に感じます。家から続く森の木を伐採し、薪にして、その燃料でピザ窯を温め、ピザを焼くこともその一つです。1時間ほど温めた窯では、数分で熱々のピザが出来上がります。

 里山の循環型の暮らしでは、暖をとったり、煮炊きをするための燃料として薪が使われてきたのでしょう。昭和30年代頃を境目に、燃料の多くが化石燃料に変わり、里山の森は忘れられて行ったのかもしれません。

 私が、家の裏に続く森を譲っていただいた時、森の中は随分と荒れていました。それを少しずつ、入れるように道をつけ、隣人の力を借りて木を伐採してきました。

 雪解けの春から植物を数え、夏には、カブトムシが飛び交い、秋には、クルミや栗を拾い、自然の一部として人がいるのが里山だということを実感しています。

 里山に飛び込んだ1世の私たち家族は、先代がいないため、周りの先輩方にいろんなことを教えて頂きながら暮らしてきました。木の生い茂っているところを私が「森」と呼でいると、地元の方は「山」と呼びます。そこで昔話の冒頭の部分を思い出しました。

 「おじいさんは山にしば刈りに、おばあさんは川に洗濯に、、、」

子どもの頃からずっと、おじいさんは遠い山に登っていることを想像していましたが、裏山にちょっと出かけていたのですね。そして、しばかりは、芝刈りでなく柴刈り、裏山で燃料にする焚き木集めに出かけていたのです。

 ラスクをいただきながら、昔話を読み返すのにいい季節になりました。