三つ編みのニンニクのブーケと刺し子

森に囲まれた里山ソムリエな日々
里山でラスクを頂きながらあんなこと、こんなことおしゃべりする、そんな時間が届きますように。

ニンニクのブーケとガーリックラスク

 

 農業をしながら3人のお子さんを育てている友人が「来月のマーケットにこんなのはどう?」と、ニンニクのブーケを届けてくれました。彼女は、育てるところから、加工するまで、ジャムもドレッシングも全て一人で作っています。たくさんできない手作りのお母さんの味が頂ける贅沢、感謝しています。

 日本のあちこちに、里山暮らしのあれこれを楽しんでいる友人たちがいます。裏山にあるものや畑の片隅にあるものをちょっとしたアイデアで素敵な贈りものにして届けてくれます。

 山形のお隣の福島の会津から、自生する山椒をたっぷり使ったニシンの山椒漬けが届きました。佐賀の小城から、山椒を使ったドレッシングが届きました。そして、お隣宮城の七が宿からは、山椒バターが届きました。どれも昔からの暮らしに今のライフスタイルをかけあわせた素敵なもの、暮らしを楽しむ気持ち、日々を大切にする思いが伝わって来ます。

 さて、ニンニクを畑から抜いていると、昔訪れたウィーンのホイリゲ(ワインを出すお店)を思い出しました。そこで出会ったニンニクの三つ編み、あの頃は、ニンニクがどうして綱のように編んでいけるのかわかりませんでしたが、畑でニンニクを育て収穫してみるとわかります。

ニンニクは、球根の部分で、上に出ている葉を干して、三つ編みをしていくとニンニクのガーランドが出来上がります。もちろん、こんな風にニンニクとスパイスを一緒にしたブーケを作っても素敵ですね。

 シベールのガーリックラスクも、大切に育てられたニンニクがトッピングされ、できています。ワインとの相性も抜群です。

 

原方刺し子 J. Kikuchi

 

 北欧デンマークに暮らした時、手芸が得意でない私が、クロスステッチの刺繍に憧れ、針を持ちました。小さな娘が昼寝をしている間、針を持って刺繍をするのがこんなに楽しいと思ったのは、初めてのことでした。

 娘が昼寝から覚めると、自転車に乗せて図書館に向かい、古い刺繍の図案のコピーを集めました。アンデルセンの物語をモチーフにした図案や、植物の図案、暮らしの風景を描いた図案、どれもデンマークらしさに溢れていました。

 その時、偶然出会ったのが、日本の刺し子の本。ジャパンブルーの藍色の木綿に白い糸で描かれたシンプルな幾何学的な模様、海外で出会う日本は、とても粋に感じました。

 日本に戻り、山形の里山にインスピレーションで暮らし始めたある日、刺し子に出会いました。歴史的背景を知らずに移り住んだその里山は、元下級武士たちが住んでいた地区で、刺し子のルーツには、武士の妻たちのストーリーがあることを知りました。

 刺し子のそれぞれのパターンには、家族の無事や豊作など、武士の妻たちの思いが託されていたのです。貧しい暮らしの中で、布を重ねて刺し子をすることで丈夫さや暖かさを手仕事で創って来た気丈さ、それが年を経た今、粋な美しさに感じるのかもしれません。

 クロスステッチと刺し子は、どこか共通点を感じるのは、直線の連続で模様を作っていくからからでしょうか。同じことを繰り返すことがどこか、心の安寧を作り出してくれるように感じます。

 ラスクを毎日、同じ味で焼いていく職人さんたち、心の安寧が作り出してくれる確かな味。また刺繍を始めようかと、ラスクを頂きながら思いました。