これからも山形とラスクを愛し続けます。

このコラムが始まって1年が経った。「山形とラスク」をテーマに、山形の食や文化や歴史について思いつくまま書いてきたが、最後は山形の美味しいラスクが生まれる現場・
「シベール ファクトリーパーク」を紹介したい。

 

蔵王連峰を望む自然が感じられる山形市蔵王にシベールファクトリーパークがある。
ショップやカフェ、図書館やホールなど広大な敷地に様々な施設があるが、ここには実際にラスクを製造している工場もあって見学もできるのだ。

落ち葉がカラカラと音を立てて舞う10月下旬。ラスク工場の入り口にはシベールのシンボル「うさぎ」が出迎えてくれる。

 

なぜうさぎなのか?ピンと立った長い耳は、お客様の声をよく聞くため、まっすぐ前を見据えた立ち姿は、目標から決して目を離さないためだとか。「不思議の国のアリス」をイメージしたうさぎは、ここを訪れる多くのシベールファンを穏やかな佇まいで出迎えてくれる。

入り口の階段を登るとまず目につくのが、壁一面に張られた「お礼の手紙」。ここを見学しに来た幼稚園や小学生からのものだ。

いつも食べているシベールのラスクがこんな風に作られて自分の口に入るんだ。という驚きと感動が綴られていた。その壁の反対側はガラス張りになっていて、まさにラスクが作られている工程が見下ろせる。シベールのラスクはフランスパンをつくるところから始まる。

 

フランスパンに一番合う上質の小麦粉と月山の水を使い、温度と湿度にも気を配りながら一本一本職人が手作りする。

手際よく焼き器に入れたあとは、シベールのラスクの命ともいうべき「クープ」をつける。フランスパンの切れ目だ。この切れ目がラスクになったとき、ちょうどくぼみになってハートの形にみえるので、「ハートの形は本物のしるし」とも呼ばれている。

この事実を知ってから、個包装された中からラスクを出すのが楽しみになった。一本のバケットから取れる50枚のラスクのうち約半分がハートの形というから、ぜひ見つけてほしい。

実は我が家の娘もこの春に学校の遠足で工場見学に訪れている。

帰宅後、「工場で多いときに2万本のフランスパンを作るんだって!」と興奮しながら教えてくれたのを思い出しながら、製造から包装・梱包・配送まで一括して流れるように行われている現場を見ると、これだけの数のラスクを楽しみに待っている人がいるということ。
そしてその思いに応えようとしている人たちが目の前にいるのだということに感動すら覚える。

 

とにかく広い敷地で、コの字型に工場・図書館・ホール・カフェが設置されており、入り口はすべて2階部分で繋がっているので、移動しやすいし眺めもいい。さっき朝ごはんを食べてきたばかりだが、カフェから漂う甘く香ばしい香りに誘われ、焼きたてのパンと自宅用のラスクを買う。

10月下旬の肌寒い日ではあったが、時折顔を出す暖かなな日差しを浴びながらテラスで、買ったばかりのパンは幸せの味がした。やまがた生まれの日本のスイーツ。

 

50年以上守り続けたものももちろんあるが、常に「おいしい」と喜んでもらうためには変わり続けなければならない。このたびラスクのパッケージが一新され、山形駅ビルには山形を代表する贈答品として様々なラスクが並ぶ店舗もオープンした。

ラスクやパンだけではない、幸せも一緒に提供するシベールの進化と挑戦は、食卓とお客様の笑顔がある限りまだまだ続くのだ。そして私もそんなシベールの山形愛を、これからもずっと応援し続けたいと思う。

最後に、1年間拙い文章を読んでくださった皆さん、コラム企画に携わった関係者のみなさん、いつも新商品と共にシベールの想いを届けてくださったシベールの高橋さん、ありがとうございました。